勉強の合間に感謝ノート。書くべき具体的な内容とは
受験勉強中のあなたへ
大学受験に向けた勉強、本当にお疲れ様です。毎日机に向かい、知識を吸収しようと努力する日々は、決して楽なことばかりではないでしょう。成績の波に一喜一憂したり、周りの友人との進捗を比較して焦りを感じたり、時には「なぜ自分はこんなに頑張っているのだろう」とモチベーションが下がってしまうこともあるかもしれません。
そんな受験期の精神的な波を乗り越えるために、多くの受験生が取り入れている方法の一つに「感謝の記録」があります。感謝ノートや感謝日記とも呼ばれ、日々の生活の中で感謝していることや良かったこと、小さな成功などを書き留める習慣です。
しかし、「感謝の記録が良いと言われても、具体的に何をどう書けばいいのか分からない」と感じる方もいるかもしれません。漠然と「感謝」と言われても、なかなかペンが進まないこともあるでしょう。
この記事では、受験生が感謝の記録をつけることで得られる効果と、具体的にどのような内容を書けば良いのか、すぐに実践できる具体的な例を交えてご紹介します。短い時間で心を整え、勉強への活力を養うためのヒントとして、ぜひ参考にしてください。
なぜ感謝の記録が受験生に役立つのか
感謝の記録は、単に良い気分になるためのものではありません。心理学の研究でも、感謝を意識することが精神的な健康や幸福感を高め、ストレスを軽減する効果があることが示されています。
受験生にとって、これは非常に重要な意味を持ちます。常に目標達成というプレッシャーにさらされ、結果が出ないことへの不安を抱えやすい時期だからです。感謝の記録を習慣にすると、以下のような効果が期待できます。
- ポジティブな側面に目を向けられるようになる: 難しい問題が解けなかった、計画通りに進まなかったといったネガティブな側面に囚われがちな思考を、良かったことや得られたものに意識的にシフトできます。
- 自己肯定感が高まる: 自分がどれだけ恵まれているか、どれだけ頑張れているかに気づくことで、自分自身を肯定的に捉えられるようになります。これは、自信を持って勉強に取り組む上で非常に大切です。
- ストレスや不安が軽減される: 感謝の気持ちを持つことは、ネガティブな感情を打ち消す効果があります。不安や焦りを感じた時に、感謝していることに目を向けることで、心を落ち着かせることができます。
- モチベーションの維持に繋がる: 小さな進歩や周りのサポートに感謝することで、「自分は一人じゃない」「少しずつでも前に進めている」と感じられ、継続する意欲が湧いてきます。
感謝ノートに書くべき具体的な内容例
「感謝することなんて、毎日そんなにないよ」と思うかもしれません。しかし、感謝の対象は特別な出来事である必要はありません。日常の中のささやかなこと、当たり前だと思っていたことの中にこそ、たくさんの感謝は隠れています。
受験生が感謝ノートに書くのに適した、具体的な内容の例をいくつかご紹介します。
1. 勉強や学習に関する感謝
- 昨日より参考書のページを一枚でも多く進められたこと
- 分からなかった問題が、解説を読んで理解できたこと
- 集中して机に向かえた数十分間
- 苦手な科目を少しでも勉強できたこと
- 予備校の先生や学校の先生がくれたアドバイス
- 友達と教え合い、新しい視点に気づけたこと
- 使っている参考書や教材の分かりやすさ
- オンライン授業や動画で効率的に学べたこと
2. 日常生活や環境に関する感謝
- 今日の食事（朝ごはん、お昼ごはん、晩ごはん、おやつなど）が美味しかったこと
- 勉強する場所（自分の部屋、図書館、カフェなど）があること
- 静かで集中できる環境が得られた時間
- 家族が勉強を応援してくれたり、家事を手伝ってくれたりすること
- 友達が励ましの言葉をかけてくれたり、一緒に頑張る仲間がいること
- 健康で勉強に取り組める体があること
- 好きな音楽を聴いてリラックスできた時間
- 温かいお風呂に入って疲れを癒せたこと
- ぐっすり眠れた夜
3. 自分自身に関する感謝
- 今日一日、勉強を続けることができた自分の粘り強さ
- 昨日の自分より少しでも成長できた点
- 諦めずに問題に取り組んだ根気強さ
- 休憩をきちんと取って、自分を労わることができたこと
- 過去に積み重ねてきた努力
- 自分の長所や得意なこと（どんな小さなことでも）
- 感情の波に負けず、気持ちを切り替えられたこと
- 目標に向かって努力している自分自身
これらの例はあくまで一部です。あなたの状況やその日の出来事によって、感謝できることは無限にあります。「〇〇があったおかげで、少し気持ちが楽になった」「△△さんが□□してくれて、嬉しかった」のように、具体的なエピソードと一緒に書くと、後から見返したときにその時の感情も思い出しやすくなります。
手軽に始めるためのヒント
感謝の記録は、完璧を目指す必要はありません。毎日数分、ノートでもスマートフォンのメモ帳でも、あるいは専用のアプリでも構いません。箇条書きで3つ、短文で1つなど、続けやすい形式で始めてみましょう。
- 時間を決める: 毎日寝る前や、勉強を始める前、休憩時間など、書くタイミングを決めて習慣化すると忘れにくいです。
- 「〇〇だから感謝している」と理由を添える: 何に感謝しているかだけでなく、「なぜそう感じるのか」を少し書き加えることで、感謝の気持ちを深く感じられます。
- 小さなことから始める: 最初は「今日の空が綺麗だった」「美味しいコーヒーが飲めた」といった些細なことから書いてみましょう。
受験生の体験談から学ぶ
実際に感謝の記録を取り入れた受験生からは、様々な声が聞かれます。
ある受験生は、「模試の結果が悪くて落ち込んでいた時に、感謝ノートを見返した。家族のサポートや、友達と一緒に頑張った記憶が蘇り、自分は一人じゃないんだと感じて、また頑張ろうと思えた」と話していました。
また別の受験生は、「毎日寝る前に3つだけ、その日良かったことや感謝したことを書くようにした。最初は無理やり探している感じだったけれど、続けるうちに自然とポジティブな側面に気づけるようになった。勉強に行き詰まったときも、『今日はこの問題が解けるようになった』という小さな進歩に感謝することで、挫折感を乗り越えやすくなった」と語っています。
計画通りに勉強が進まないことに焦りを感じていた学生は、「計画通りにはいかなかったけれど、その分体調を崩さずに済んだこと、家族が応援してくれたことなど、勉強以外の感謝を書いてみた。すると、勉強が全てではないし、自分には支えてくれる人がいると感じて、心が軽くなった」という経験を共有してくれました。
これらの体験談からも分かるように、感謝の記録は勉強そのものの効率を直接上げる魔法ではありません。しかし、受験という長い道のりを乗り越えるために不可欠な、心の健康とモチベーションを保つための強力な味方となります。
まとめ
大学受験は、学力だけでなく、精神力も試される挑戦です。不安や焦り、モチベーションの低下は、多くの受験生が経験することです。そんな時に、感謝の記録をつける習慣は、あなたの心を整え、ポジティブな力を引き出す手助けとなるでしょう。
「感謝するものなんてない」と思う日も、探してみればきっと見つかります。今日あった小さな良い出来事、誰かの親切、自分が頑張ったこと、当たり前だと思っていた日常の恵み。それらに意識的に目を向け、書き留めることで、あなたの心は少しずつ明るく、前向きになっていくはずです。
感謝の記録は、特別な道具や長い時間は必要ありません。今すぐに、手近にあるノートやスマートフォンのメモ機能を使って始めてみることができます。ぜひ、今日から感謝の記録を習慣に取り入れ、受験勉強の力に変えていってください。あなたの努力が、実を結ぶことを応援しています。