勉強に飽きた時こそ。感謝の記録で新鮮な気持ちを取り戻す方法
受験勉強を続けていると、時にはどうしても集中力が続かなくなったり、同じことの繰り返しに「飽き」を感じたりすることがあるかもしれません。これは多くの受験生が経験することであり、決して特別なことではありません。むしろ、一生懸命取り組んでいるからこそ感じる自然な感情と言えるでしょう。
受験勉強中に「飽き」を感じるのはなぜか
大学受験に向けた勉強は、長期にわたるマラソンのようなものです。毎日同じようなテキストに向かい、似たような問題を解き続けることは、脳や心に単調さを感じさせることがあります。新しい発見や刺激が少ないと感じると、次第に興味が薄れ、集中力が低下し、「もういいかな」という気持ちになることがあるのです。
特に、すぐに成果が見えにくい基礎固めの時期や、苦手科目に繰り返し取り組んでいる時などは、飽きを感じやすい傾向があります。このような時、「自分はダメだ」「モチベーションが低い」と自分を責めてしまうこともあるかもしれませんが、それは自分を追い詰めるだけです。
感謝の記録が「飽き」にどう役立つか
では、この「飽き」という感情に、感謝の記録はどのようにアプローチできるのでしょうか。感謝の記録を習慣にすることで、以下のような効果が期待できます。
- 視点の切り替え: 勉強の「大変さ」「つまらなさ」にばかり目を向けるのではなく、「今日の勉強でできたこと」「新しく学んだこと」「助けられたこと」など、ポジティブな側面に意識を向けやすくなります。
- 小さな変化への気づき: 毎日同じように見える勉強の中でも、ほんの少しの理解の深化や、解けるようになった問題など、小さな進歩に気づけるようになります。これは停滞感の解消に繋がります。
- ポジティブな感情の喚起: 感謝することで、脳内にポジティブな感情が生まれます。これは、単調さからくるネガティブな気分を和らげ、勉強への新鮮な気持ちを取り戻す手助けとなります。
- 目的の再確認: なぜ自分が今、この勉強をしているのか、その根本にある目標や、そこへ向かう過程で得られているもの(知識、思考力、粘り強さなど)に感謝することで、勉強の意義を再確認できます。
感謝の記録は、勉強そのものを直接的に面白くする魔法ではありません。しかし、勉強に対する自分の「感じ方」「捉え方」を変える力を持っています。飽きている時こそ、その視点の変化が大きな助けになるのです。
勉強に飽きた時に試したい感謝の記録のやり方
飽きを感じた時に感謝の記録を始めるのは、実はとても手軽にできます。特別な準備は必要ありません。ノートやスマートフォンのメモ機能を開いて、数分だけ時間を取りましょう。
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今日の勉強で感謝できることを見つける:
- 「今日の参考書のこのページ、少しだけ理解が進んだな」
- 「解けなかった問題だけど、解説を読んで新しい解法を知ることができた」
- 「眠かったけど、10分だけでも集中できた時間があった」
- 「休憩時間に好きな音楽を聴いてリフレッシュできた」
- 「家族が温かい飲み物をくれた、応援の言葉をかけてくれた」
- 「健康で勉強できる体があること」
大きなことから小さなことまで、勉強やそれを取り巻く状況で感謝できることを見つけて書き出してみましょう。完璧にできたことだけでなく、少しでも前に進めたこと、助けられたことに目を向けるのがポイントです。
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「飽きている自分」に気づけたことへの感謝(応用):
- 「飽きている自分に気づけてよかった。無理せず休憩できたから」
- 「飽きを感じたからこそ、違う方法(例:問題を解く→解説を読む)を試せた」
これは少し高度な視点ですが、「飽き」という感情そのものが、自分に休息や変化が必要だと教えてくれている、と捉え直すことで、感情への感謝や新しい行動へのきっかけにすることも可能です。
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過去の頑張ってきた自分への感謝:
- 「飽きても、なんだかんだここまで続けてきた自分、偉いな」
- 「あの時乗り越えたから、今の自分がいるんだな」
長期的な受験勉強の中で、飽きても、辛くても、ここまで続けてきた自分自身の粘り強さや努力に感謝することは、現在の自分を肯定し、再び前に進む力になります。
書き方は箇条書きでも、短い文章でも構いません。「~に感謝」「~ありがとう」といった簡単な言葉でも十分です。大切なのは、書くという行動を通して、意図的にポジティブな側面に意識を向けることです。
受験生のリアルな体験談
実際に感謝の記録を勉強に取り入れたある受験生は、こう語っています。
「夏休み明けくらいから、毎日同じような勉強に飽きてきて、机に向かうのが本当に嫌になりました。でも、友達に勧められて『感謝ノート』を始めてみたんです。最初は『こんなんで何になるの?』って思ってたんですけど、毎日寝る前に今日の勉強で良かったこととか、誰かに感謝したいことを3つ書くようにしたら、不思議と次の日の朝、少し気持ちが軽くなっていることに気づきました。特に、参考書の一行が理解できたとか、新しい単語を覚えたとか、そういう小さなことにも感謝してみたら、『あれ?自分、少しずつでも進んでるじゃん』って思えて、飽きている自分を責めなくなりました。大きな変化ではないけど、淡々と続ける力になった気がします。」
このように、感謝の記録は劇的に勉強への「飽き」を解消するわけではないかもしれません。しかし、勉強を続ける上での心の支えとなり、ポジティブな視点を取り戻す手助けになることが、多くの受験生の経験から分かっています。
感謝の記録を勉強習慣に取り入れるヒント
飽きを感じた時に限らず、日頃から感謝の記録を習慣にしておくことも有効です。
- 勉強の区切り(例:午前・午後終了後、寝る前)に数分だけ書く時間を設ける。
- 疲れたり、やる気が出なかったりする時に、「まず感謝の記録を書いてみる」をルーティンにする。
- スマートフォンのリマインダー機能を使って、記録する時間を知らせる。
短時間でできる簡単な習慣として取り入れることで、飽きを感じた時にも自然と感謝の記録に手が伸びやすくなるでしょう。
まとめ
受験勉強中の「飽き」は、多くの人が経験する自然な感情です。それを自分を責める材料にするのではなく、感謝の記録を通して視点を変え、乗り越えるための一つのステップとして活用してみてはいかがでしょうか。
今日の小さな進歩、助けてくれる周りの存在、そして何より、目標に向かって努力し続ける自分自身に目を向け、感謝を記録すること。それは、単調に感じていた日々に新しい色を加え、再び勉強への新鮮な気持ちを取り戻す手助けとなるはずです。感謝の記録は、合格という目標へ向けた道のりを、より前向きに歩むための、あなたにとっての頼もしいパートナーとなるかもしれません。