小さな成功を見つけよう。感謝ノートで受験勉強のモチベーションUP
受験勉強中のモチベーションの波にどう向き合うか
大学受験に向けた勉強は、長期戦です。計画通りに進まない日があったり、難しい問題にぶつかったり、周りの友人の進捗が気になったりと、心が折れそうになる瞬間もあるのではないでしょうか。頑張っているのに成果が見えにくいと感じる時、モチベーションを維持するのは容易ではありません。
特に、思うように成績が伸びなかったり、目標との差を感じたりする時、「自分には向いていないのかな」「このままで大丈夫だろうか」といったネガティブな考えが頭をよぎることもあるでしょう。大きな目標に向かう過程では、どうしても結果や全体像に目が行きがちになり、時にそれがプレッシャーとなることもあります。
感謝の記録が「小さな成功」を見つける力になる
このようなモチベーションの波や不安を乗り越えるための強力なツールの一つが、「感謝の記録」です。感謝の記録というと、何か大きな出来事や、人から受けた親切に感謝することだけだと思われがちですが、実は日々の「小さな成功」に目を向け、それに感謝することも非常に効果的です。
なぜ感謝の記録が小さな成功を見つけるのに役立つのでしょうか。私たちの脳は、意識を向けたものに気づきやすくなるという性質を持っています。ネガティブな側面にばかり目を向けていると、些細な失敗やできなかったことに敏感になります。逆に、意識的に「良かったこと」「できたこと」に目を向ける習慣をつけると、今まで見過ごしていた「小さな成功」に気づけるようになります。
感謝の記録をつける習慣は、まさにこの「良い側面に意識を向ける」トレーニングになります。「感謝できること」を探す過程で、自然と自分の周りのポジティブな側面や、自分自身の努力、そしてその結果としての「小さな成功」に気づけるようになるのです。
「小さな成功」とはどんなこと? 具体的な例
では、受験勉強における「小さな成功」とは具体的にどのようなことでしょうか。テストで良い点を取った、模試で成績が上がったといった大きな成果だけでなく、もっと日常の、些細なことの中に「小さな成功」は隠れています。
例えば、次のようなことです。
- 朝、目標の時間に起きられた
- 苦手な科目に15分でも取り組めた
- 昨日分からなかった問題が、今日は理解できた
- 単語を5つ新しく覚えられた
- 集中力が途切れそうになったけれど、あと5分だけ頑張れた
- 休憩時間にしっかりリフレッシュできた
- 計画通りにはいかなかったけれど、参考書の1ページを進めることができた
- 今日のやるべきリストのうち、一つでも完了できた
- 解けなかった問題の解説を読んで、解き方を理解した
- 友達と励まし合って、少し元気が出た
これらはどれも、一見些細なことに思えるかもしれません。しかし、これらの「小さな成功」の積み重ねこそが、大きな目標達成へと繋がる道のりなのです。日々の努力の証であり、自分自身の成長のサインです。
感謝ノートで「小さな成功」を記録する簡単な方法
「小さな成功」を見つけ、それを感謝ノートに記録することは、驚くほど簡単で、短時間でできます。特別なノートやペンを用意する必要もありません。手帳の隅やスマートフォンのメモ機能、使っていないノートの切れ端でも十分です。
記録するステップは非常にシンプルです。
- 時間を見つける: 勉強の合間、寝る前、通学時間など、1分でも良いので時間を取ります。
- 今日あった「小さな成功」を振り返る: 今日一日、勉強や生活の中で「少しでも良かったな」「これはできたな」と感じたこと、頑張ったことを思い出します。
- 感謝の気持ちを込めて記録する: 思い出したことを箇条書きで書き出します。その際に「~ができて良かった」「~できたことに感謝」といったように、感謝の気持ちを添えるのがポイントです。なぜそれができたのか、どんな気持ちになったのかを書き添えると、より効果的です。
記述例:
- 数学のチャート式、今日は例題を3つ解き進められた。苦手だけど諦めずに取り組めたことに感謝。
- 英語の単語帳、スキマ時間に10個覚えた。時間を有効に使えて良かった。
- 今日は集中力が続かず休憩が多かったけど、夜寝る前に少しだけ復習できた。ゼロで終わらなくて良かった。
- 朝早く起きて勉強しようと思ったけど失敗。でも代わりに夜遅くまで粘れた。自分のペースで頑張れたことに感謝。
このように、完璧でなくて構いません。たとえ計画通りにいかなかった日でも、何か一つでもポジティブな側面に目を向け、それを記録することが大切です。
「小さな成功」の記録がもたらす効果
「小さな成功」を意識的に見つけて記録する習慣は、受験勉強において様々なポジティブな効果をもたらします。
- モチベーションの維持・向上: 自分が何もできていないと感じる時でも、記録を見ることで「こんなに頑張っている」「こんなに進んでいる」と具体的な証拠を確認できます。これにより、自信が生まれ、次へのモチベーションに繋がります。
- 不安の軽減: 漠然とした不安は、「自分は前に進めていない」という感覚から生まれることがあります。小さな成功を記録することは、確実に前に進んでいるという実感を与え、不安を和らげます。
- 自己肯定感の向上: 大きな成果ばかりに目を向けていると、自分を否定しがちになります。しかし、日々の小さな努力や成功を認めることで、自分自身の価値を肯定できるようになります。
- ポジティブな思考の促進: 感謝の記録は、物事の良い側面に目を向ける習慣を強化します。困難な状況でも、その中に学びや次に繋がるヒントを見つけやすくなります。
- 勉強習慣の定着: 小さな成功を積み重ねる喜びは、勉強を続けるための強力な内的な報酬となります。「今日も何か小さな成功を見つけよう」という意識が、自然と机に向かう行動を促します。
他の受験生のリアルな体験談
実際に感謝ノートで「小さな成功」を記録する習慣をつけた受験生は、どのように感じているのでしょうか。いくつかの体験談を紹介します。
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「正直、最初は書くことが全然思いつかなくて、『今日も何もできなかったな』って落ち込む日もありました。でも、担任の先生に『どんな小さなことでもいいんだよ。机に5分座っただけでも頑張った証拠だよ』って言われて、ハードルを下げてみることにしたんです。例えば、『今日は数学の公式を一つ覚え直した』とか、『苦手な英語長文に目を通した』とか、本当に些細なことを書き始めたら、不思議と『あ、自分なりに進んでるんだな』って思えるようになりました。特に、模試の結果が悪くて落ち込んだ時にノートを見返したら、日々の頑張りが目に見えて、また頑張ろうって思えたのが大きかったです。」(高校3年生・文系)
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「私は計画通りに進まないとすぐに焦って、全部嫌になってしまうタイプでした。でも、感謝ノートに『今日は計画の半分しかできなかったけど、この分野だけは集中して取り組めた。理解が深まったことに感謝』みたいに書くようにしたら、できなかったことよりも、できたことに意識が向くようになりました。完璧主義を手放せたというか、『まあ、いいか。明日はもう少し頑張ろう』って前向きに切り替えられるようになったのが、自分にとっては革命的でした。おかげで、以前より落ち着いて勉強に取り組めるようになった気がします。」(高校3年生・理系)
これらの体験談からも分かるように、「小さな成功」の記録は、劇的に状況を変えるものではないかもしれません。しかし、日々の気持ちの持ち方や、自分自身の努力に対する認識を少しずつ変え、結果としてモチベーション維持や不安軽減に繋がっていくのです。
実践へのヒントとまとめ
感謝ノートで「小さな成功」を見つける習慣は、手軽に始められますが、続けるには少しの工夫も役立ちます。
- 完璧を目指さない: 毎日書けなくても、たくさん書けなくても大丈夫です。書けた時に、今日一番「良かったこと」「できたこと」を一つだけ書き出すことから始めてみましょう。
- 他の記録と組み合わせる: 勉強時間記録やTO DOリストと合わせて、その日の頑張りやできたことを記録するのも良い方法です。
- 定期的に見返す: 記録するだけでなく、たまにノートを見返してみましょう。過去の自分の頑張りや成長を実感でき、励みになります。
受験勉強という道のりは長く、時に厳しいものです。しかし、感謝ノートを使って日々の「小さな成功」に目を向け、それを肯定し、感謝することで、きっと乗り越える力が湧いてくるはずです。大きな目標だけでなく、足元にある「できたこと」にも目を向け、自分自身の努力を認めながら、一歩ずつ前へ進んでいきましょう。感謝の記録が、あなたの受験成功を後押ししてくれることを願っています。