感謝の記録が「完璧主義」を和らげる。受験勉強をもっとラクにする方法
受験勉強、完璧じゃなきゃダメ？その「完璧主義」があなたを苦しめているかもしれません
大学受験に向けた勉強は、目標が高く、やるべきことも多岐にわたります。日々の計画を立て、参考書を進め、過去問に取り組む。全てを完璧にこなそうと頑張っている方も多いのではないでしょうか。しかし、完璧を目指すあまり、「計画通りに進まなかった」「ちょっとしたミスをした」というだけで、自分を責めて落ち込んでしまうことはありませんか？
真面目に努力する人ほど陥りやすいのが「完璧主義」です。全てを100%こなさなければ意味がないと感じたり、少しでも理想から外れると強い不安や焦りを感じたりします。このような完璧主義は、受験勉強においては大きな負担となり、モチベーションの低下や精神的な疲れに繋がることがあります。
もしあなたが今、完璧を目指しすぎて苦しさを感じているなら、感謝の記録がその気持ちを和らげ、勉強をもっとラクにするヒントになるかもしれません。
なぜ完璧主義は受験勉強でつらいのか？
完璧主義は、時に高い目標達成のために役立つこともありますが、受験勉強のように長期にわたる継続的な努力が必要な場面では、デメリットになることがあります。
- 計画通りに進まないことへの過度な落ち込み: 受験勉強の計画は、予期せぬ出来事や理解に時間がかかる分野があるため、常に計画通りに進むとは限りません。完璧主義の人は、少しの遅れでも「ダメだ」と感じ、必要以上に自分を責めてしまうことがあります。
- 小さなミスが許せない: 問題集での間違いや模試の結果に一喜一憂し、小さなミスでも「自分は才能がない」「どうせ受からない」と考えてしまうことがあります。
- 休息やリフレッシュを罪悪感なく取れない: 完璧に勉強時間をこなすことだけを重視し、疲れていても休むことに罪悪感を感じ、心身のバランスを崩しやすくなります。
- 「できていること」に目が向かない: 常に「できていないこと」「足りないこと」ばかりに意識が向き、これまでの努力や達成した小さな進歩を認められない傾向があります。
このような思考パターンは、自己肯定感を低下させ、受験勉強を続ける上での大きな壁となり得ます。
感謝の記録が「完璧主義」を和らげるメカニズム
では、感謝の記録がどのようにして完璧主義の負担を和らげるのでしょうか。その鍵は、「できていること」や「持っているもの」に意識を向けるという点にあります。
感謝の記録を習慣にすると、以下のような効果が期待できます。
- 「できていること」に目を向けられるようになる: 完璧主義の人は、無意識のうちに自分の欠点やできていない点にばかり注目しがちです。感謝の記録では、今日できた小さなこと（例: 1時間集中できた、新しい単語を5つ覚えた）、誰かのサポート（例: 友達が質問に答えてくれた、家族が美味しいご飯を作ってくれた）など、ポジティブな側面に意識的に目を向けます。これにより、「全てがダメではない」「自分はちゃんと進んでいる」という感覚を持つことができます。
- 自己肯定感が高まる: 小さな成功や日々の恵みに気づくことで、「自分は価値のある存在だ」「頑張っている」と感じられるようになります。これは、完璧であることだけを自分の価値基準とする考え方から抜け出す手助けとなります。
- 否定的な思考パターンを修正する: 「〇〇ができなかった」と落ち込む代わりに、「〇〇はできなかったけれど、△△はできた」というように、物事の別の側面やポジティブな要素にも目を向けられるようになります。
- 不安や焦りが軽減される: 感謝の気持ちを感じることは、ストレスホルモンの分泌を抑え、リラックス効果をもたらすことが研究でも示されています。感謝の記録を通じてポジティブな感情に触れる時間を持つことで、受験期の不安や焦りを和らげることができます。
感謝の記録は、「完璧ではない自分」を受け入れ、「今の自分」や「自分が持っているもの」に価値を見出す練習になります。これは、完璧でなければならないという強いプレッシャーから自分を解放し、受験勉強をもっとラクに、そして前向きに続けるための強力なサポートとなるのです。
短時間でOK！感謝の記録を始める具体的なやり方
感謝の記録に完璧な方法はありません。「こう書かなければならない」というルールはないので、完璧主義を手放して、まずは気軽に始めてみましょう。
ステップ1：形を決める（ノート、スマホ、アプリなど） 物理的なノートでも、スマートフォンのメモ機能やアプリでも構いません。自分が一番手軽に続けられる方法を選びましょう。スマホなら、休憩時間や移動中にもサッと記録できます。
ステップ2：書くタイミングを決める（1日1回、短時間で） 毎日同じ時間帯に書くと習慣化しやすいです。例えば、
- 朝起きてすぐ：今日一日頑張るための感謝や目標
- 勉強の休憩中：直前の勉強でできたこと、誰かに感謝したいこと
- 夜寝る前：今日あった良かったこと、感謝している人や物事
最初は1日1回、3つだけ書くなど、ハードルを低く設定するのがおすすめです。時間は数分で十分です。完璧に書く必要はありません。箇条書きでも構いません。
ステップ3：書く内容の例（どんな小さなことでもOK） 感謝の対象は、特別なことでなくて構いません。
- 自分のこと:
- 朝早く起きられたこと
- 集中して問題に取り組めた時間があったこと
- 苦手な分野を少しでも理解できたこと
- 疲れたけど諦めずに机に向かった自分
- 美味しいものを食べられたこと
- 他人のこと:
- 先生が分かりやすく説明してくれたこと
- 友達が励ましてくれたこと
- 家族が家事を手伝ってくれたこと
- 電車が遅延しなかったこと（間接的に関わる人やシステムにも感謝）
- 身の回りのこと:
- 静かな環境で勉強できたこと
- お気に入りの参考書があること
- 体調を崩さずにいられたこと
- 天気が良かったこと
「～してもらって嬉しかった」「～があることに感謝」「～ができて良かった」など、短い言葉で心に浮かんだ感謝を書き留めてみましょう。
受験生の声：感謝の記録で変わったこと
実際に感謝の記録を実践した受験生からは、次のような声が聞かれます。
- 「以前は、計画通りに終わらなかったノルマばかり気にして落ち込んでいましたが、感謝ノートに『今日は数学のこの問題が解けるようになった』『苦手な英単語を10個覚えた』と書くようになってから、できていないことより、できたことに目が向くようになりました。完璧じゃなくても、ちゃんと前に進んでいるんだと思えて、気持ちがラクになりました。」
- 「模試の結果が悪くてひどく落ち込んだ日も、感謝ノートに『悔しい気持ちを正直に書けた』『友達が励ましてくれた』『温かいご飯を食べられた』など、勉強以外の小さな感謝を書き出すことで、視野が広がり、絶望的な気持ちから抜け出すことができました。全てが悪いわけじゃないと思えるんです。」
- 「完璧に書こうと意気込まず、思いついたことを箇条書きで書くようにしたら、続けるのが苦にならなくなりました。寝る前に3つ書くだけですが、その日の良かった点に意識して一日を終えるので、前向きな気持ちで眠りにつけます。翌朝も少し頑張ろうと思えるようになりました。」
これらの体験談からも分かるように、感謝の記録は、完璧を目指すプレッシャーから解放し、日々の努力や身の回りの恵みに目を向けさせてくれます。それが、心の安定に繋がり、結果として受験勉強を継続する力となるのです。
感謝の記録は「完璧」ではなく「継続」が大切
感謝の記録は、あなたの心を整え、受験勉強をサポートするためのツールです。完璧に、毎日、きれいに書くこと自体が目的ではありません。最も大切なのは、「感謝の気持ちに意識的に目を向ける時間を持つ」という行為そのものです。
もし書き忘れてしまっても、自分を責める必要はありません。「また明日から書こう」と、気軽に再開すれば大丈夫です。完璧主義を手放し、感謝の記録をあなたのペースで続けてみてください。
日々の小さな感謝に気づくことが、完璧でなくても良いという安心感を与え、あなたが受験という長い道のりを、もっとラクに、そして力強く歩んでいく支えとなるはずです。応援しています。