感謝の記録が自信に繋がる?受験生が自己肯定感を高める方法
受験勉強中の「自信がない」という感情
大学受験に向けた勉強、毎日本当にお疲れ様です。高校3年生という大切な時期、多くの人が目標に向かって懸命に努力していることと思います。
しかし、勉強が進むにつれて、「本当にこれで大丈夫なのだろうか」「自分には無理かもしれない」といった不安や自己否定の感情に襲われることがあるかもしれません。周りの友達の成績が気になったり、模試の結果に落ち込んだりして、自信を失ってしまうこともあるでしょう。
このような感情は、決してあなた一人だけが抱えているものではありません。多くの受験生が経験する、乗り越えるべき壁の一つです。こうした状況で、あなたの心を強く保ち、自己肯定感を高める手助けとなるのが、「感謝の記録」です。
なぜ感謝の記録が自己肯定感を高めるのか
感謝の記録をつけることが、なぜ自己肯定感を高めることにつながるのでしょうか。それは、私たちの意識をネガティブな側面からポジティブな側面へとシフトさせる効果があるからです。
私たちは普段、できなかったことや持っていないものに目が行きがちです。「今日のノルマを達成できなかった」「あの問題が解けなかった」「友達より成績が悪い」といった点に意識が集中すると、自分には能力がないと感じてしまい、自信が失われていきます。
一方、感謝の記録では、「今日はこの科目を〇時間勉強できた」「難しい問題が一つ解けるようになった」「友達が応援してくれた」「家族が温かい食事を作ってくれた」といった、あたりまえだと思っている小さなことや、自分の努力や成長、周囲からのサポートに目を向けます。
このようなポジティブな側面に意識を向ける習慣をつけることで、以下のような変化が期待できます。
- 自分の良い点や努力を認められるようになる: 小さな成功や頑張りを見つけることで、「自分にもできることがある」「自分は頑張っている」と肯定的に捉えられるようになります。
- 物事の良い面を見る習慣がつく: 困難な状況でも、その中に学びや感謝できる点を見つけやすくなり、柔軟な考え方ができるようになります。
- 周囲との良好な関係に気づく: 応援してくれる人たちの存在に感謝することで、孤独感が和らぎ、精神的な支えを感じやすくなります。
- 前向きな気持ちで課題に取り組めるようになる: ポジティブな感情が増えることで、難しい問題にも諦めずに挑戦しようという意欲が湧きやすくなります。
自己肯定感を高めるための感謝の記録の始め方
「感謝の記録」といっても、難しく考える必要はありません。自己肯定感を高めるためには、特に「自分の努力」や「自分の成長」に焦点を当ててみることがおすすめです。
- 記録するタイミングを決める: 勉強の終わりや寝る前など、短時間で良いので毎日続けるタイミングを決めましょう。
- 記録する内容を考える: 何に感謝するかをリストアップします。最初は思いつかないかもしれませんが、以下の例を参考に、ハードルを下げて始めてみてください。
- 今日の自分の頑張り: 「朝早く起きられた」「苦手な数学に取り組んだ」「集中して〇時間勉強できた」など、どんなに小さなことでも自分の努力を認めましょう。
- 今日の自分の成長: 「昨日よりこの英単語を覚えられた」「前は解けなかった問題が理解できた」「新しい勉強法を試せた」など、成長や学びの過程に焦点を当てます。
- 助けられたこと、恵まれていること: 「友達が質問に答えてくれた」「先生が相談に乗ってくれた」「健康にご飯が食べられた」「安心して勉強できる環境がある」など、人や環境への感謝。
- できたこと、乗り越えられたこと: 「誘惑に負けずに勉強を続けた」「眠い目をこすってテキストを開いた」など、自分がコントロールできたことや成し遂げたこと。
- 手軽な方法で記録する: ノートに書き出す、スマートフォンのメモアプリに入力する、SNSの非公開アカウントに投稿するなど、自分が一番続けやすい方法を選んでください。ほんの一行、箇条書きでも十分です。「〇〇ができた。ありがとう。」「今日も頑張った自分に感謝。」といった短いフレーズでも構いません。
- 「できたこと」に焦点を当てる: 特に自己肯定感を高めたい時は、「できなかったこと」ではなく「できたこと」「頑張ったこと」に意識的に目を向けるようにしましょう。
受験生たちのリアルな声:感謝の記録で変わったこと
実際に感謝の記録を続けた先輩受験生は、どのように感じたのでしょうか。いくつかの声を紹介します。
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Aさんの体験談(始めたばかりの頃): 「最初は正直、何を感謝すればいいのか分かりませんでした。成績も伸び悩んでいて、自分なんてダメだって毎日思っていました。でも、『今日の勉強時間』とか『解けた問題の数』みたいな数字じゃなくて、『苦手な古典のワークを1ページでも進めた』とか『睡魔と戦って30分集中できた』とか、本当に小さな頑張りを書くようにしたら、少しずつ『私、ちゃんとやってるじゃん』って思えるようになったんです。完璧じゃなくてもいいんだって思えたのが大きかったです。」
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Bさんの体験談(続けている中で): 「模試で思うような結果が出なくて、もう諦めようかと思った時期がありました。感謝ノートには、その日あった嫌なことじゃなくて、『友達が励ましてくれた言葉』とか、『塾の先生が質問に丁寧に答えてくれたこと』とかを書いていました。そうしたら、自分は一人じゃない、応援してくれている人がいるって気づいて、もう少し頑張ってみようって気持ちになれました。自分の頑張りも、周りのサポートも、記録に残すとちゃんと目に見えて、それが自信につながったんだと思います。」
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Cさんの体験談(受験直前期): 「直前期は本当にナーバスになって、ちょっとしたミスもすごく気になりました。でも、毎日寝る前に『今日も一日勉強できた。ありがとう』『体調を崩さず頑張れている自分、えらい』って書く習慣をつけていました。周りと比較したり、結果ばかり気にしたりするんじゃなくて、『今日の自分』ができたこと、頑張ったことだけを見るように意識しました。これが、落ち着いて本番を迎えるためのメンタルコントロールに役立ったと思います。」
これらの声からわかるように、感謝の記録は、完璧ではない自分を受け入れ、小さな一歩を肯定し、周囲との繋がりを再認識することで、内側からじわじわと自信を育んでくれる力を持っています。
感謝の記録を、あなたの受験の「お守り」に
感謝の記録は、魔法のように成績を上げてくれるものではありません。しかし、受験という長く厳しい道のりを走り抜くために、心の健康を保ち、前向きな気持ちを維持するための強力な「お守り」となり得ます。
特に、自信を失いかけた時、不安に押しつぶされそうな時、これまでに自分が乗り越えてきた小さな壁や、当たり前だと思っていた日々の恵みに目を向けることで、もう一度立ち上がる勇気が湧いてくるかもしれません。
完璧な記録をつけようと気負う必要はありません。まずは一日一行でも、感謝できること、頑張ったことを記録してみてください。その小さな一歩が、あなたの自己肯定感を育み、自信を持って受験に臨むための大きな力となることを願っています。