短い時間でリフレッシュ。受験生の感謝ノート活用術
受験勉強中の疲れとどう向き合うか
大学受験に向けた勉強は、多くのエネルギーを必要とします。長時間机に向かっていると、心身ともに疲れを感じたり、集中力が途切れてしまったりすることは少なくありません。時には、どれだけ頑張っても思うように進まないように感じ、気持ちが落ち込むこともあるでしょう。
こうした疲労やネガティブな感情は、さらに勉強効率を下げる原因となり得ます。そのため、適切なタイミングで心と体をリフレッシュし、気持ちを切り替えることが、受験勉強を成功させる上で非常に重要になります。
感謝の記録がリフレッシュに役立つ理由
リフレッシュの方法として、睡眠、軽い運動、好きな音楽を聴くなど様々なものがありますが、実は「感謝の記録」も有効な手段の一つです。感謝の気持ちを意識的に思い出し、記録することは、脳科学的にもポジティブな影響を与えることが分かっています。
疲れている時やネガティブな気持ちになっている時、私たちの思考は問題点や不足しているものに注意が向きがちです。しかし、感謝の記録をすることで、視点を変え、今あるものや恵まれている点、過去の良かった出来事などに意識を向けることができます。これにより、ネガティブな思考のループから抜け出し、気持ちを前向きに切り替えるきっかけが生まれます。
感謝の気持ちを感じることは、ストレスホルモンの分泌を抑え、幸福感に関連するホルモンを増やすとも言われています。これは、疲れた心に活力を取り戻し、再び勉強に集中するためのエネルギーを与えてくれる効果が期待できます。
短時間でできる!具体的な感謝のリフレッシュ方法
感謝の記録をリフレッシュとして活用する最大の利点は、場所を選ばず、短い時間で手軽にできることです。
1. タイミングを決める
- 勉強の休憩時間: 10分や15分の休憩中に、その日の勉強で得たことや、気分が良かった瞬間に感謝する。
- 集中力が切れたと感じた時: 無理に続けるのではなく、一度手を止めて感謝を記録し、気分転換を図る。
- 勉強の前後: 勉強を始める前に今日の目標達成に向けて感謝すること、終わりに今日の頑張りや学びに対して感謝することを習慣にする。
2. 記録する方法
特別なノートやツールは必要ありません。
- 手帳やノート: 勉強ノートの余白や、専用の小さなノートに書き出す。
- スマートフォンのメモアプリ: いつでもどこでもすぐに記録できます。
- 付箋: 勉強机の見える場所に貼り、目にするたびに感謝を意識する。
3. 何に感謝するか?
「大したことない」と思うような小さな出来事や、当たり前だと感じていることにこそ目を向けてみましょう。
- 自分の頑張り: 今日勉強できたこと、理解できたこと、少しでも前に進めた自分自身に感謝する。
- 周囲のサポート: 家族が用意してくれた食事、友達からの励まし、先生の授業など、自分を支えてくれる人々や環境に感謝する。
- 身の回りの出来事: 晴れた空、おいしい飲み物、好きな音楽、静かに勉強できる環境など、ポジティブに感じられた瞬間に感謝する。
- 過去の経験: これまで乗り越えてきた困難、学んできた知識やスキルなど、過去の経験に感謝する。
「今日の参考書の解説が分かりやすかった」「眠かったけど1時間集中できた」「休憩中に友達と話して元気が出た」など、具体的な出来事を一つか二つ、箇条書きにするだけでも十分です。「1分で3つ感謝することを見つける」のようにルールを決めると、より短時間で実践できます。
他の受験生は感謝の記録をどう使ったか
実際に感謝の記録を勉強の合間に取り入れていた受験生のエピソードです。
ある高校3年生の生徒は、模試の結果が悪く落ち込んでいた時、勉強の手が止まってしまったそうです。その時、以前に読んだ記事を思い出し、ダメ元でノートに「今日、友達が心配して声をかけてくれたこと」「苦手な数学の問題が一つ解けるようになったこと」「家族が何も言わずに温かい夕食を出してくれたこと」を書き出してみました。すると、落ち込んだ気持ちが少し和らぎ、完全には拭えなくても「よし、明日もまた頑張ってみよう」という気持ちになれたと言います。
また別の生徒は、休憩時間にSNSを見て友人の投稿に焦りを感じた際に、すぐにスマホのメモアプリに「今日の自分の勉強時間」「新しく覚えた英単語の数」「健康で勉強できている体」など、自分自身の状況や恵まれている点に感謝することを書き出すようにしました。これにより、他人との比較ではなく、自分の努力や状況に目を向け直すことができ、落ち着いて勉強に戻ることができたそうです。
これらの体験談から分かるように、感謝の記録は、ネガティブな感情に囚われそうになった時や、疲れて視点が狭くなりがちな時に、意識的にポジティブな側面に焦点を当てるための有効なツールとなり得ます。
勉強習慣に感謝のリフレッシュを取り入れる
感謝の記録をリフレッシュとして効果的に使うためには、無理なく続けることが大切です。
- 小さな習慣にする: 最初は「休憩時間にごく短い感謝のメモをとる」というように、ハードルを低く設定します。
- トリガーを作る: 休憩に入る時、集中が切れた時、勉強を終える時など、特定の行動とセットにすると忘れにくいです。
- 効果を実感する: 記録後に気持ちがどう変化したかを意識すると、続けるモチベーションになります。
まとめ
受験勉強期間中は、心身ともに疲弊しやすく、モチベーションの維持が課題となります。感謝の記録は、こうした時に視点を変え、ポジティブな側面に意識を向けることで、短い時間でも効果的に心身をリフレッシュする手助けとなります。
無理なく続けられる形で感謝の記録を勉強習慣に取り入れ、疲れやネガティブな感情にうまく対処しながら、目標達成に向けて着実に歩みを進めてください。感謝の気持ちは、あなたの頑張りを支える確かな力となるでしょう。