周りと比べても落ち込まない。感謝の記録で「自分の成長」に目を向ける方法
受験期、周りと自分を比べて不安になることはありませんか
大学受験という目標に向かって日々努力されていることと思います。勉強が進むにつれて、周りの友達やクラスメイトの成績、勉強時間などが気になり、自分と比べて焦りや不安を感じてしまうこともあるかもしれません。
「あの人はもうこんなに進んでいるのに」「自分は全然できていない」と感じ、落ち込んでしまう経験は、多くの受験生が一度は通る道です。他人との比較は、時に自分を奮い立たせる刺激にもなりますが、それが度を過ぎると自信を失い、勉強へのモチベーションを低下させてしまう原因にもなりかねません。
特に受験期は、成績の波や計画通りに進まないことなど、不安になる要素が多くあります。そんな中で、周りの状況ばかりに気を取られてしまうと、本来集中すべき「自分の勉強」がおろそかになってしまうこともあります。
しかし、この「周りとの比較による不安」を乗り越え、自分のペースで着実に前に進むための方法があります。それが、「感謝の記録」を活用することです。感謝の記録をつけることで、視点を外側から内側、つまり「他人」から「自分自身」へと移し、自分の成長や良い点に目を向けられるようになります。
なぜ感謝の記録が比較の悩みに有効なのか
感謝の記録が、周りとの比較による不安や焦りを和らげるのに役立つのは、いくつかの心理的な理由があります。
まず、感謝の記録は意識をポジティブな側面に向けさせる効果があります。日々の出来事の中で感謝できること、うまくいったこと、誰かからの助けなどを意識的に見つけ、記録することで、ネガティブな感情に囚われにくくなります。周りと比べて「できていない自分」にばかり目が行きがちな時でも、「今日できたこと」「少しでも進歩したこと」に意識を向ける手助けをしてくれるのです。
次に、感謝の記録は自己肯定感を高める効果が期待できます。大きな成果だけでなく、どんなに小さなことでも「ありがとう」と感じた出来事や、「これだけはできた」という点を見つけて記録することで、自分自身の価値や努力を認められるようになります。これは、周りの基準ではなく、「過去の自分」と比べて「今の自分」がどう成長したのかに焦点を当てることにつながります。
さらに、感謝の対象は人だけでなく、物、環境、そして「自分自身」も含まれます。特に「今日の自分、よく頑張った」といった形で自分自身に感謝を記録することは、自己肯定感を育む上で非常に有効です。他人との比較で落ち込んでいる時こそ、意識的に自分の努力や小さな進歩に目を向け、「自分は着実に前に進んでいる」という感覚を持つことが重要になります。
感謝の記録で「自分の成長」に目を向ける具体的なやり方
では、具体的にどのように感謝の記録を、周りとの比較による不安を乗り越えるために活用すれば良いのでしょうか。特別な準備や時間は必要ありません。普段の勉強の合間や寝る前の数分など、短い時間で手軽に始めることができます。
記録する内容は、以下のような視点を持つと良いでしょう。
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「今日の自分自身の良い点や成長した点」に感謝する
- 予定していた勉強を少しでも進められたことに感謝する
- 苦手な問題に諦めずに取り組んだ自分に感謝する
- 疲れていても、少しでも机に向かえた自分に感謝する
- 誘惑に負けず、勉強を選んだ自分に感謝する
- 過去の自分より、ほんの少しでも理解できるようになった点に感謝する
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誰かからの助けや応援に感謝する
- 質問に丁寧に答えてくれた先生や友達に感謝する
- 家で安心して勉強できる環境を整えてくれた家族に感謝する
- SNSなどで勇気をもらえる投稿をしてくれた他の受験生に感謝する
- 一緒に頑張っている友達の存在に感謝する
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恵まれた環境や状況に感謝する
- 学ぶ機会があることに感謝する
- 健康な体で勉強に取り組めることに感謝する
- 必要な参考書や情報があることに感謝する
これらの感謝を、スマートフォンにメモしたり、小さなノートに書き出したりしてみてください。毎日完璧に書こうと気負う必要はありません。1日に1つでも、数行でも良いのです。
記録する習慣をつけることで、自然と「何に感謝できるか」を探すようになり、意識がポジティブな側面に向けられるようになります。そして、特に「自分自身の成長」に目を向けた記録を続けることで、周りとの比較ではなく、過去の自分と比べて今の自分がどう変わったのか、どんな小さな進歩でも見つけられるようになります。
感謝の記録で変わった他の受験生の体験談
実際に感謝の記録を実践し、周りとの比較による悩みを乗り越えた受験生は少なくありません。いくつかの体験談をご紹介します。
ある受験生は、模擬試験の結果が出るたびに周りと比べては落ち込んでいたそうです。そこで感謝の記録を始め、特に「今日の自分の頑張り」や「小さな成功体験」を意識的に記録するようにしました。すると、周りの結果に一喜一憂するのではなく、「今日の勉強でこれを理解できた」「難しい問題に粘り強く取り組めた」といった自分の努力や進歩に目を向けられるようになり、少しずつ自信を取り戻していったと言います。
別の受験生は、ライバルだと思っていた友達の成績が伸びているのを見て、強い焦りを感じていました。感謝の記録を始めた当初は書くことが思いつかなかったそうですが、「今日も無事に勉強できた」「家族が温かい食事を用意してくれた」といった日常の小さな感謝を書くうち、自分が多くの人に支えられていることに気づいたそうです。孤独感が和らぎ、「自分は一人じゃない、自分のペースで頑張ればいいんだ」と思えるようになり、以前ほど周りのことが気にならなくなったと話しています。
また、苦手科目から逃げがちだったという受験生は、「苦手な〇〇を5分でも開いた自分に感謝」といった形で、わずかな取り組みでも記録しました。すると、完璧を目指さなくても良いと思えるようになり、少しずつ苦手科目に取り組むハードルが下がっていったそうです。これは、周りの「できている人」と比べるのではなく、「昨日より少しでも進歩した自分」を認めることができたからです。
これらの体験談からもわかるように、感謝の記録は、周りとの比較によるネガティブな感情から解放され、自分の内面に目を向け、自己肯定感を高める強力なツールとなり得ます。
感謝の記録は、あなたの成長を後押しする力
受験期は、他人と比べてしまいがちな難しい時期です。しかし、感謝の記録を習慣にすることで、周りの状況に振り回されることなく、自分のペースで、自分の成長に焦点を当てて勉強を進めることができるようになります。
周りと比較して落ち込むのではなく、今日の自分自身の小さな頑張りや成長、そして自分を支えてくれる周りの存在に感謝の目を向けてみてください。その一つ一つの記録が、あなたの自信となり、受験という長い道のりを歩み続けるための確かな力となるはずです。
感謝の記録は、受験勉強を成功させるための一つの手段です。ぜひ、今日から短い時間で構わないので、感謝の記録を始めてみてください。きっと、見える景色が変わってくることと思います。